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【ATMO EUROPE 2021】自然冷媒技術は将来性のある投資である【shecco講演】

2021年9月28、29日にオンラインで開催された「ATMOsphere Europe Summit 2021(ATMO EUROPE 2021)」では、sheccoの国際ブランド「ATMOsphere」の共同設立者兼市場開発マネージャーであるイラナ・ケーゲレンバーグも登壇し、「自然冷媒技術は、将来を見据えた企業にとって優れた投資である」という、ブランド全体のメッセージを発表させていただきました。

世界の自然冷媒業界に影響を与える “メガトレンド”

プレゼンテーションでは、自然冷媒技術に関する世界各国の最新の市場および政策動向を紹介。選出されたデータは、いずれもsheccoが発行したレポート「Annual Market Intelligence Report」を元にしています。

 

このレポート(ATMOsphereのウェブサイトで購入可能)は2021年9月に発行されたもので、欧州、米国、日本の商業用および産業用冷凍機における自然冷媒の世界的な成長が継続しており、また期待されていることを考察しています。

 

ケーゲレンバーグは講演にて、本レポートで明らかになった世界の自然冷媒産業に影響を与える政策、規制、技術の大きなトレンドをいくつか紹介しました。

 

欧州における最大の政策要因のひとつは、「EUのFガス規制」です。2006年に採択された最初のF-Gas規制は、EUにおけるFガスの排出量を2010年基準のレベルで安定させるという内容でした。2015年に現行の「EU F-Gas Regulation N517/2014」へ変更し、2030年までにFガス排出量を2014年比で3分の2に削減することを目標に、既存の対策の強化と新たな変更を導入することを目的としています。

 

欧州におけるこれらの規制は最重要の存在であり、市場での自然冷媒技術の採用を大いに後押しするものです。「特に欧州では、規格や政策が先にあって、あとは後からついてくるということを何度も見てきました」(ケーゲレンバーグ)

 

発表では、自然冷媒とHFOの競争激化、COVID-19の影響、GWP値を100年ではなく20年で見ることの重要性など、その他の主要なトレンドについて述べています。成長を促し、より気候に優しい技術への切り替えを促すためには、政策による制限や何らかのインセンティブが必要です。

 

市場に影響を与える、最も重要な技術トレンドとして、発表では主要地域における炭化水素の充電量制限引き上げ、温暖な気候や小型店舗におけるトランスクリティカル(TC)CO2システムの効率化、そして低充電アンモニアシステムの世界的な普及があると紹介しました。

市場規模の推定と予測

「欧州における市場予測について、私達は主要地域を調査し、今年の最新のデータ収集に基き、欧州では(商業・産業用冷凍分野における)CO2の導入が2万9千件から4万件になったことを確認しました。増加の要因の多くは、Fガス規制や禁止措置が実施されたことにあります。この数字は、今後短期間でさらに上昇すると予測します」(ケーゲレンバーグ)

 

欧州では現在、270万台のプラグイン式炭化水素系業務用冷凍システムと、2,450台の低充填アンモニアシステムが設置されています。業務用冷凍冷蔵分野では、現在TCCO2システムの至上浸透率が、欧州(14.1%)、日本(7.4%)、米国(0.4%)でそれぞれ進みつつあるのが現状です。これらの数字は、今後さらに成長を続けることでしょう。

 

将来的なビジネス展開を考えている企業にとっては、良い投資対象になるでしょう。この分野に投資するのは本当に素晴らしいことであり、すでに投資している人は最良の選択をしているのです。

ATMOsphere 共同設立者 兼 市場開発マネージャー イラナ・ケーゲレンバーグ

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