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【ATMO America Summit 2022】北米のCO2冷凍機市場は堅調に推移

2022年6月7、8日にかけて開催された「ATMOsphere(ATMO)America Summit 2022」の市場動向パネルに、北米の主要メーカーが登壇。各社は北米エリアのCO2冷凍システム採用について、現在のところ堅調に推移していると発表した。そして、同市場のさらなる成長が成長を続けるためには、明確な規制、トレーニング、革新的な製品、意識向上が重要であることを強調した。

CO2システムの需要の高まり

パネル参加者は以下の通りだ。

  • Hillphoenix テクニカルプロダクトサポート担当ディレクター デレク・ゴスリン氏
  • Arneg 冷凍ソリューション担当ディレクター フィリップ・ウォーカー氏
  • Kysor Warren Epta US 販売・顧客サービス担当VP トマス・ライト氏
  • Emerson Commercial and Residential Solutions ソリューション戦略・コールドチェーンディレクター アンドレ・ペートノーデ氏
  • Evapco 副社長 カート・リーベンドルファー氏

 

米国ジョージア州コンヤースを拠点とするOEM企業であるHillphoenixは、冷凍機用CO2が長年にわたって増加傾向にあり、今後もこの傾向が続くと予測。同社は現在までに、米国内で約800台のトランスクリティカル(TC)CO2ブースターシステムを設置した。

 

「コンビニエンスストアからスーパーマーケット、産業用、医療用まで、さまざまなセグメントに製品を拡大し、業界にCO2を導入してもらおうとしています。これには、小規模店舗向けに設計された新しいコンデンシングユニットも含まれます」(ゴスリン氏)

 

イタリアOEMのArnegは、全世界で1,000以上のCO2システムを設置。アメリカ大陸では約50のシステムを設置しています(アメリカ国内では未導入)。ウォーカー氏によると、同社は特にカナダ市場において、大きな成長を遂げているという。需要の増加に対応するためにCO2システムの生産量を拡大するだけでなく、R290自給式ケースの統合など、製品ラインアップを強化する戦略も検討している。

 

Kysor Warren Eptahは、北米で100台近くのCO2設備を持ち、さらに200台が間もなく設置される予定だ。ライト氏によると、同社は自然冷媒冷凍システムの需要が昨年1年間で50%増加し、2023年にはさらに30%増加すると予測している。Kysor Warrenにとって、今後の仕事は今年中に米国で発売予定の新しいCO2コンデンシングユニットを含め、自然冷媒の市場導入をサポートすることに尽きるという。

 

部品メーカーEmersonのペートノーデ氏は、CO2需要の伸びを「ネットゼロ運動に対する企業の関心」「規制への対応」「消費者の購買行動の変化」など、さまざまな要因に起因するものと考えている。

明確な規制ガイドラインを

パネルでは、CO2のような自然冷媒への移行をサポートするために、米国環境保護庁(EPA)による明確な規制ガイドラインが必要であるという見解が示された。「ケベック州では、CO2システムの採用例が多いです。州政府は、2021年1月に冷媒の使用を停止することを決定しました。しかし、それ以上のものはありません」(ペートノーデ氏)

 

ライト氏もこの意見に賛同し、明確な停止時期があれば大きなインパクトがあると述べている。ゴスリン氏は、国全体の規制が重要であり、制限とスケジュールを明確に理解することで、エンドユーザーはそれに応じて反応するようになるだろうと述べた。

 

もしもより厳格な規制を施行するのであれば、全国的に行う必要があるでしょう。そして、規制の内容を明確かつ正確に、エンドユーザーに伝える機会が必要です。

Hillphoenix テクニカルプロダクトサポート担当ディレクター デレク・ゴスリン氏

 

将来のためのトレーニングとスキルアップ

多くのパネリストが強調した課題は、CO2冷凍システムの需要増に対応するため、十分な訓練を受けたエンジニアや技術者を確保することだった。

 

「製品を供給するだけでなく、システムが正しく効率的に稼働し続けるために必要なサポートを提供することが非常に重要です。冷却ソリューションの全領域を通じて、CO2の導入をサポートすることが重要なのです」(ゴスリン氏)

 

人材とサポートを確実にするために、Hillphoenixはトレーニングセンターを開発。システムのインストールとスタートアップ、そしてメンテナンスとトラブルシューティングをカバーしている。またエンジニアリング、設計、製造から配送、設置、サービスまで、CO2バリューチェーンのあらゆる要素をサポートする「ECO2 Center of Excellence」も設立した。

 

HVAC&R業界に人材を集めることも、克服すべき課題として認識されている。企業が持続可能性の目標を高め、自然冷媒への移行を進める中で、この業界が提供できる長期的な機会に焦点を当て、高校生や大学生に専門学校を推進することが議論の中心となった。

CO2の認知度向上

冷媒としてのCO2は、普及が進んでいるにもかかわらず、まだ社会にはいくばくかの混乱が残っていると、多くのパネリストは述べている。意識改革と教育が市場拡大の大きなカギとなるというのが、パネリストの共通の見解だ。

 

「私たちは、お客様を教育し、何ができて何ができないのか、どのようにすれば戦略的かつ集中的なコラボレーションによるソリューションを採用できるのか、グレーゾーンを克服することに時間を費やしています。今後はこうした活動が、これまで以上に重要な意味を持つこととなるでしょう」(ウォーカー氏)

 

Kysor Warren EptaもArnegと同様の経験をし、R744ベースの冷凍機に対する需要が高まる中、顧客がこの技術をより理解できるよう、超臨界CO2システムのオンライントレーニングや工場トレーニングを実施していると、ライト氏は説明している。

変化する状況を支えるイノベーション

CO2が冷媒として普及するにつれ、メーカーは顧客に幅広い製品オプションを提供することが重要であると、パネリストは述べている。ウォーカー氏によると、都市開発の進展により業務用冷凍機が住宅に組み込まれるようになり、コンビニエンスストアがHFCベースのシステムから新たなソリューションへ移行しているという。そのことが、同社の製品ポートフォリオにも影響を与えている。

 

また、自然冷媒機器導入のハードルを克服するためのイノベーションも必要だ。例えばArnegの製品リサイクルへの取り組みは、新型コロナウイルス感染症拡大時のサプライチェーン不足の影響を軽減することに成功した。古い機器から金属や電気部品を回収することで、最近製造された新しいシステムに再利用することができるのである。

 

Kysor WarrenとHillphoenixの両社はまた、製品ポートフォリオを開発する際に革新的で柔軟であることの重要性を強調した。「私たちはこれからも機器開発・製造分野に投資し、パートナーと協力して必要なコンポーネントを揃え、この業界におけるCO2の増加傾向を継続させるつもりです」(ゴスリン氏)

参考

ATMO America: Manufacturers See Robust Future for CO2 Refrigeration Market in North America
※本記事は英語で作成後、日本語に翻訳されております。

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