ATMOsphere Japan2020では昨年に続き、自然冷媒市場の成長に貢献した、企業・個人を讃える『アクセレレート・ジャパン』賞の授賞式を開催した。今回も事前投票と当日のリアルタイム投票を活用しながら、3部門で表彰を行った。
著しい功績を残す企業を、3 部門で表彰
今回の『アクセレレート・ジャパン』賞は、意欲的な自然冷媒機器の導入に尽力したエンドユーザーを称える「業務用(小売)部門」「産業用部門」、そして特筆すべき技術開発で市場を牽引したメーカーへ贈る「イノベーション オブ・ザ・イヤー」の3部門を対象として表彰した。
「業務用(小売)部門」を受賞したのは、イオン株式会社。同社は2011年に「自然冷媒宣言」を宣言以来、複数メーカーの自然冷媒ショーケース・冷凍機を採用することで、市場活性化に貢献してきた。環境・社会貢献部 部長の鈴木 隆博氏は、「社内のグループサステナビリティを担当する立場として、受賞をとても光栄に思います。とはいえ、取組みはまだ道半ば。引き続き自然冷媒導入を進めてまいりたいと思います」と語った。
「産業用部門」に輝いたのは、国分グループ本社株式会社。同社は環境負荷低減・物流効率化の観点で、2016年に総合物流センター設立をより続けてきた。各センターにはCO2、アンモニア/CO2の冷凍機を大規模に導入。2019 年度にはCO2単独冷媒を採用した物流拠点としては、日本最大級である関西総合センターが開設。
2020年は沖縄にセンター設立が予定されており、「新設センターでは必ず自然冷媒を採用する」という方針を、ここまで貫き続けてきた。登壇した本橋氏は「名誉ある賞をいただき、深く感謝いたします」と受賞の喜びを口にした。

優れた自然冷媒技術・機器を開発した企業に贈られる「イノベーション オブ・ザ・イヤー」は、ノミネートされた6社に対して、前日・当日の関係者からの投票で決定するという形式を採用している。本年度は700票以上の意見を集め、その結果、株式会社前川製作所が受賞する結果となった。同社は主に産業用冷凍冷蔵分野にて、高効率なアンモニア/CO2冷凍機「NewTon」を提供。
近年はCO2直膨のコンデンシングユニットの開発も進め、さらに幅広いニーズを捉えたラインナップ拡充が進んでいる。技術企画本部 執行役員の町田 明登氏は受賞に合わせ「このような映えある賞をありがとうございます。私達は20 年近く、業界に先駆けてアンモニア開発を進めてきました。ようやくCO2直膨の開発にも着手できましたが、今後もエンドユーザーのニーズの多様化に応えるため、ますます精進してまいります」と語った。
今回受賞した以外にも、多くのエンドユーザーが精力的な自然冷媒機器導入を推進し、また多くのメーカーが、それぞれの担当分野で鎬を削るような技術開発に取り組んでいる。2020年の動向もつぶさに見つめ、彼らの躍進を追いかけていきたい。