株式会社東急百貨店の事例は、前号で紹介したことからも記憶に新しいだろう。2019年11月1日に開業した、渋谷スクランブルスクエア。その地下2階には、パナソニックとハマ冷機が協同で開発した、国内初のCO2水冷式冷凍内蔵型ショーケースが設置されている。
東急百貨店がノンフロン冷凍機を導入したきっかけは、2011年度の経済産業省による実証事業まで遡れる。同事業ではパナソニック、ハマ冷機と協力し、CO2別置型ショーケースを設置。地下に食品売り場があるという百貨店ならではの課題に対して、地上に冷却塔を置いた水冷式のCO2別置型ショーケースの国内初導入を実現。
そして今回、渋谷スクランブルの事例に至ったのである。「新しく導入したノンフロンショーケースは、冷媒封入量をHFCの既存システムに比べ、約半分に抑えられます。フロア全体に機器を導入したならば、CO2削減効果は約43t-CO2/ 年まで期待できるでしょう」と、施設・店舗環境計画部 施設計画担当統括 マネージャー 田村 達也氏は説明する。
今後も百貨店ならではの店舗運営の課題を解決しながら、ノンフロン導入を検討していきたいと同氏は説明した。