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「第24回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」贈賞式開催

2021年10月6日、日刊工業新聞社主催の「第24回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」贈賞式が、東京・霞が関の「霞山会館」にて執り行われた。式典には受賞者のほか、経済産業省 製造産業局長の藤木 俊光氏、環境省 地球環境局長の小野 洋氏、本賞の審査委員長であり産業技術総合研究所 名誉リサーチャーの関屋 章氏など多数の来賓者も出席した。

 

贈賞式は、折しも米プリンストン大学 上席研究員の真鍋 淑郎氏が二酸化炭素による気候変動予測モデルの研究でノーベル物理学賞を受賞したタイミングと重なった。式辞を述べた日刊工業新聞社 代表取締役社長 井水 治博氏はそのことに触れつつ、今後国内で多くの新技術が開発されることに期待の念を述べた。加えて、本賞の経営を通じ微力ながら地球環境問題、産業競争力の強化の役立ちたいと話した。

贈賞式では賞状と盾が贈られた後、受賞者代表挨拶が行われたが、壇上に立ったのは弊サイトも注目する自然冷媒機器のプロジェクトを推進する、株式会社日立プラントサービス 取締役社長の岡野 邦彦氏と、横浜冷凍株式会社(ヨコレイ) 代表取締役社長の吉川 俊雄氏の2名だった。

 

株式会社日立プラントサービスは、日本熱源システム株式会社との「二酸化炭素を用いる冷凍・冷凍設備事業の協業」プロジェクトで、経済産業大臣賞を受賞。岡野氏は両社一体となって実現した本賞の受賞に際し、今後は近年ニーズが高まりつつあるデジタルソリューションをさらに発展させ、自然冷媒冷凍機の遠隔監視や性能分析、予兆診断のような範囲まで、両社で完成に向け今後も継続していきたいと述べた。

  

この冷凍機のシステムを根幹としまして、お客様の施設全体の熱源システムなどのユーティリティの全体監視、安全性の向上、信頼性の向上につなげてお客様の環境価値・社会価値・経済価値の向上に邁進したいと思っております。

株式会社日立プラントサービス 取締役社長 岡野 邦彦氏

続いて登壇したヨコレイ・吉川氏は、1995年頃からのアンモニア冷媒採用を皮切りにスタートさせた、同社の自然冷媒機器転換・導入の取り組みを紹介。社内で主に使用しているアンモニア/CO2の冷凍機は、アンモニア単独冷媒よりも電気代を約30%削減できるという省エネ性もあることに触れた。

 

また同社は、2000年頃から新設冷蔵設備には太陽光発電を標準設備として導入している。現時点で生み出せる発電量は年間55GW。これは一般住宅1,900軒の年間使用電力量に匹敵する。CO2排出削減量は年間2,200tに匹敵するとしており、2030年にはこの数値を2倍にまで増やしていきたい考えだ。

 

この賞に恥じないよう、2030年を待たず1年でも2年でも早く、計画した数字が達成でき、地球環境に少しでもお役に立てるよう、今後も環境整備を中心に経営努力していきたいと思っております。

横浜冷凍株式会社 代表取締役社長 吉川 俊雄氏